どの程度上振れ、下振れするのか教えて
今回はこんな疑問に答えていきます。
本記事の内容
- 実践値を元にした1万円分の回転率の信頼度
- 1万円うち終えたら考えることの考察
1万円程度では
その台本来の回転率から
上ブレることも下ブレることも
大いにあり得ます。
とはいえ、
「どれくらいの確率で
どの程度ブレるのか」
これがある程度わかっていると
押し引きの判断がしやすくなりますよね。
人間は「都合の良い解釈」を
しがちな生き物なので、
「たまたま下ブレただけだ」と、
希望的観測で判断することもしばしば…
しかし、感情で判断するのではなく、
データを元に合理的に考えて
押し引きを判断できれば、
無駄な投資をしなくて済みます。
本記事では、私の113万円分の
実践データを元に、
1万円分の回転率が
その台、本来の回転率から
どれほど乖離する可能性があるのか
こちらを検証していきます。
本記事を読めば、
立ち回りの判断基準が1つ
増えますよ。
【結論】1万円分の回転率の信頼度

信頼度90%
結構高めの数値が
出ました。
最初の1万円の回転率が
わりと信頼できるということです。
ただし、条件によって変わる
「信頼度」とは何をさすのか。
ここが大事ですね。
90%という数値は、
「本来の回転率」と比較した時
「-2回転以上回る」場合の信頼度
で算出しています。
例えば、
22回/kの調整をされている
台だとしたら、
最初の1万円で
20/k以上(200回以上)回る
確率が90%ということ。
次章で、
このあたりの細かい話を
していきます。
【実践値詳細】1万円分の回転率の信頼度

算出条件
本来の回転率
まずは、その台の
「本来の回転率」を
どのように定義しているか。
最も正しいのは、
釘師に聞くこと。
「1,000円あたり
何回転で調整していますか?」
ですが、そんなことは無理。
ということで、ここでは
以下のように定義しています。
- トータル4万円以上使った場合の、最終回転率
4万円以上回せばある程度その台の
「本来の回転率」に近づくだろう
という前提です。
したがって
私の実践データのうち、
4万円以上使っていない
台のデータは対象外としています。
1万円ごとの乖離
「本来の回転率」と
比較して、
1万円分の回転率は
何回転分の差があるか。
これを集計していきます。
例えば次の表は、
2022/4/23「とある科学の超電磁砲」の
実践データです。
# | 回転数 | 投資 |
---|---|---|
① | 236 | 10 |
② | 206 | 10 |
③ | 261 | 10 |
④ | 204 | 10 |
⑤ | 195 | 10 |
⑥ | 225 | 10 |
⑦ | 211 | 10 |
⑧ | 200 | 10 |
合計 | 1,738 | 80 |
平均 | 21.73 | 1 |
終日うって
合計8万円(80k)使っているので、
最終の回転率(21.73/k)は
「本来の回転率」に
かなり近いはず。
(と仮定する)
この21.73/kを基準に、
1万円(10k)ごとの回転率が
どれほど乖離しているのか
まとめた表が以下の通り。
# | 回転数 | 投資 | 回転率 | 乖離 |
---|---|---|---|---|
① | 236 | 10 | 23.6 | 1.88 |
② | 206 | 10 | 20.6 | -1.13 |
③ | 261 | 10 | 26.1 | 4.38 |
④ | 204 | 10 | 20.4 | -1.33 |
⑤ | 195 | 10 | 19.5 | -2.23 |
⑥ | 225 | 10 | 22.5 | 0.77 |
⑦ | 211 | 10 | 21.1 | -0.63 |
⑧ | 200 | 10 | 20.0 | -1.73 |
合計 | 1,738 | 80 | ||
平均 | 21.73 | 1 |
「本来の回転率」より
4回転以上回ったこともあれば、
2回転以上回らなかったことも
ありますね。
さて、この「乖離」の値を
実践データを元に
113万円分集計していきました。
その分布を表した表が
以下の通り。
乖離の分布 | 件数 | 割合(%) |
---|---|---|
4 ~ 4.5 | 1 | 0.88 |
3.5 ~ 4 | 2 | 1.77 |
3 ~ 3.5 | 0 | 0 |
2.5 ~ 3 | 3 | 2.65 |
2 ~ 2.5 | 3 | 2.65 |
1.5 ~ 2 | 9 | 7.96 |
1 ~ 1.5 | 11 | 9.73 |
0.5 ~ 1 | 9 | 7.96 |
0 ~ 0.5 | 15 | 13.27 |
-0.5 ~ 0 | 19 | 16.81 |
-1 ~ -0.5 | 14 | 12.39 |
-1.5 ~ -1 | 12 | 10.62 |
-2 ~ -1.5 | 4 | 3.54 |
-2.5 ~ -2 | 8 | 7.08 |
-3 ~ -2.5 | 1 | 0.88 |
-3.5 ~ -3 | 1 | 0.88 |
-4 ~ -3.5 | 1 | 0.88 |
113 | 100 |
わりときれいな
山なりの分布になっていることが
わかりますね

この結果を元に、
1万円(10k)分の回転率に
どれほどの信頼度があるのか
分析してみます。
ケース1)信頼度90%
1万円(10k)分の回転率が
「本来の回転率」と比較した時、
「-2回転以上回る」場合の信頼度が
約90%です。
乖離の分布 | 件数 | 割合(%) | |
---|---|---|---|
4 ~ 4.5 | 1 | 0.88 | 90.27 |
3.5 ~ 4 | 2 | 1.77 | |
3 ~ 3.5 | 0 | 0 | |
2.5 ~ 3 | 3 | 2.65 | |
2 ~ 2.5 | 3 | 2.65 | |
1.5 ~ 2 | 9 | 7.96 | |
1 ~ 1.5 | 11 | 9.73 | |
0.5 ~ 1 | 9 | 7.96 | |
0 ~ 0.5 | 15 | 13.27 | |
-0.5 ~ 0 | 19 | 16.81 | |
-1 ~ -0.5 | 14 | 12.39 | |
-1.5 ~ -1 | 12 | 10.62 | |
-2 ~ -1.5 | 4 | 3.54 | |
-2.5 ~ -2 | 8 | 7.08 | 9.73 |
-3 ~ -2.5 | 1 | 0.88 | |
-3.5 ~ -3 | 1 | 0.88 | |
-4 ~ -3.5 | 1 | 0.88 | |
113 | 100 |
これが、冒頭に話した
信頼度です。
例えば、
「本来の回転率」が
22回/kだとしたら、
10回に9回は
1万円(10k)で
20回以上回るということに。
ケース2)信頼度76%
ということで次は、
「本来の回転率」と比較した時
「-1回転以上回る」場合の信頼度を
見てみましょう。
乖離の分布 | 件数 | 割合(%) | |
---|---|---|---|
4 ~ 4.5 | 1 | 0.88 | 76.11 |
3.5 ~ 4 | 2 | 1.77 | |
3 ~ 3.5 | 0 | 0 | |
2.5 ~ 3 | 3 | 2.65 | |
2 ~ 2.5 | 3 | 2.65 | |
1.5 ~ 2 | 9 | 7.96 | |
1 ~ 1.5 | 11 | 9.73 | |
0.5 ~ 1 | 9 | 7.96 | |
0 ~ 0.5 | 15 | 13.27 | |
-0.5 ~ 0 | 19 | 16.81 | |
-1 ~ -0.5 | 14 | 12.39 | |
-1.5 ~ -1 | 12 | 10.62 | 23.89 |
-2 ~ -1.5 | 4 | 3.54 | |
-2.5 ~ -2 | 8 | 7.08 | |
-3 ~ -2.5 | 1 | 0.88 | |
-3.5 ~ -3 | 1 | 0.88 | |
-4 ~ -3.5 | 1 | 0.88 | |
113 | 100 |
上記の通り、
信頼度は76%。
グッと下がりましたね。
「本来の回転率」が
22回/kだとしたら、
4回に3回は
1万円(10k)で
21回以上回る計算。
ケース3)信頼度47%
最後に、
「本来の回転率以上回る」場合の
信頼度を見てみましょう。
乖離の分布 | 件数 | 割合(%) | |
---|---|---|---|
4 ~ 4.5 | 1 | 0.88 | 46.9 |
3.5 ~ 4 | 2 | 1.77 | |
3 ~ 3.5 | 0 | 0 | |
2.5 ~ 3 | 3 | 2.65 | |
2 ~ 2.5 | 3 | 2.65 | |
1.5 ~ 2 | 9 | 7.96 | |
1 ~ 1.5 | 11 | 9.73 | |
0.5 ~ 1 | 9 | 7.96 | |
0 ~ 0.5 | 15 | 13.27 | |
-0.5 ~ 0 | 19 | 16.81 | 53.1 |
-1 ~ -0.5 | 14 | 12.39 | |
-1.5 ~ -1 | 12 | 10.62 | |
-2 ~ -1.5 | 4 | 3.54 | |
-2.5 ~ -2 | 8 | 7.08 | |
-3 ~ -2.5 | 1 | 0.88 | |
-3.5 ~ -3 | 1 | 0.88 | |
-4 ~ -3.5 | 1 | 0.88 | |
113 | 100 |
ここまで来ると
50%をわってしまいました。
1万円うち終えたら考えること

目標回転率「-2回」以上だったら…
「本来の回転率」と比べて
「-2回」以上下ブレることは
約10%でした。
乖離の分布 | 件数 | 割合(%) | |
---|---|---|---|
-2.5 ~ -2 | 8 | 7.08 | 9.73 |
-3 ~ -2.5 | 1 | 0.88 | |
-3.5 ~ -3 | 1 | 0.88 | |
-4 ~ -3.5 | 1 | 0.88 |
10%は十分あり得る。
とはいえ10%。
最初の1万円で
目標回転率から「-2回」以上
下ブレたら見切る。
この基準をもって立ち回るのは
1つの方法と言えるでしょう。
2回連続で目標回転率を下回ったら…
「本来の回転率」を下回る確率は
約53%でした。
乖離の分布 | 件数 | 割合(%) | |
---|---|---|---|
-0.5 ~ 0 | 19 | 16.81 | 53.1 |
-1 ~ -0.5 | 14 | 12.39 | |
-1.5 ~ -1 | 12 | 10.62 | |
-2 ~ -1.5 | 4 | 3.54 | |
-2.5 ~ -2 | 8 | 7.08 | |
-3 ~ -2.5 | 1 | 0.88 | |
-3.5 ~ -3 | 1 | 0.88 | |
-4 ~ -3.5 | 1 | 0.88 |
およそ50%とみなしましょう。
2分の1となると、
さすがに1回では判別できない。
ただ、悪い方の2分の1を
2回連続で引く確率は25%。
(1/2 × 1/2 = 1/4)
裏を返すと、
2万円使った時に、
75%で少なくともどちらかの1万は
目標回転率に届くということ。
2万円使って
どちらも目標回転率に
届かなかったらヤメ。
こういう判断も
1つの方法です。
75%を高いと見るか
低いと見るかは、
意見が割れるところかとは
思いますが…
参考程度にご覧ください

実践値を元にしているので、
データ自体は正確です。
しかし、あくまで
参考程度に見ていただきたいです。
というのも、今回紹介した
データには2つの欠点が。
- 全ての機種が混ざっている
- 113万円分では足りない
全ての機種が混ざっている
本当のベストは
機種ごとに集計することです。
機種が混ざっていると
条件がそろっていないからですね。
パチンコには
どうしても「回転ムラ」が
あります。
そしてこの「回転ムラ」は、
機種ごとに変わります。
- ゲージ
- ヘソ賞球数
こういったものに
影響されてくるんですね。
少し具体的に
見てみましょう。
例えば、
次の表は「ヤマト2202」の
実践データ。
# | 回転数 | 投資 | 回転率 | 乖離 |
---|---|---|---|---|
① | 211 | 10 | 21.1 | 1.1 |
② | 190 | 10 | 19.0 | -1.0 |
③ | 202 | 10 | 20.2 | 0.2 |
④ | 188 | 10 | 18.8 | -1.2 |
⑤ | 200 | 10 | 20.0 | 0.0 |
⑥ | 204 | 10 | 20.4 | 0.4 |
⑦ | 105 | 5 | 21.0 | 1.0 |
合計 | 1,300 | 65 | ||
平均 | 20.0 | 1 |
「本来の回転率」から
ほとんど乖離していません。
「回転ムラ」が小さい機種と
言えるでしょう。
もし、「ヤマト2202」の
実践データだけで乖離の分布を作った場合、
「本来の回転率」付近に
多く集まることが
予想できます。
(統計用語で「分散」が小さい)
一方、次の表は
「ガンダムユニコーン」の
実践データ。
# | 回転数 | 投資 | 回転率 | 乖離 |
---|---|---|---|---|
① | 188 | 10 | 18.8 | -2.11 |
② | 208 | 10 | 20.8 | -0.11 |
③ | 233 | 10 | 23.3 | 2.39 |
④ | 210 | 10 | 21.0 | 0.09 |
⑤ | 186 | 10 | 18.6 | -2.31 |
⑥ | 230 | 10 | 23.0 | 2.09 |
⑦ | 209 | 10 | 20.9 | -0.01 |
合計 | 1,464 | 70 | ||
平均 | 20.91 | 1 |
「本来の回転率」から、
「-2回」以上の下ブレ、
「2回」以上の上ブレが
何度も確認できます。
「回転ムラ」が
大きい機種と言えそうです。
もし、「ガンダムユニコーン」の
実践データだけで乖離の分布を作った場合、
「本来の回転率」から
下にも上にも離れたところに
分布が多く存在するでしょう。
(統計用語で「分散」が大きい)
こういった具合に、
機種ごとに回転ムラが大きく違う。
それらの機種を全て
合算して集計している点を
ご容赦ください。
113万円分では足りない
113万円分ということは、
1万円の試行を113回分ということ。
統計学的に、
113回分のデータは
やや信頼性に欠けます。
±10%ほどの誤差が
出てもおかしくない。
より信頼性の高い
データにするためには、
400回ほどの試行、
つまり400万円分くらいの
データが必要です。
今後も更新予定
ということで、
400万円分のデータが
たまるまでは、
100万円おきくらいに
更新していく予定です。
【2022.07.24 追記】
サンプルデータを241万円分に
ボリュームアップして再度分析しました。
【続報】1万円分の回転率の信頼度を、241万円分の実戦データを元に分析してみた
おわりに

最後に本記事のおさらい。
113万円分の実践データを元に
分析したところ、
- 「本来の回転率より-2回転以上回る」場合の信頼度が約90%
- 「本来の回転率より-1回転以上回る」場合の信頼度が約76%
- 「本来の回転率以上回る」場合の信頼度が約47%
あなたの期待値稼働の
お役に立てれば幸いです。